中学受験と中学受検 大きな違い
「受験」と「受検」この違いを正しく理解し、お子様の個性に合わせた学校を選びましょう。
行きたい学校を掲げ、その学校に入るため、一定の期間勉強に勤しみ入学を許可されるための試験を受ける。
つまり「受験」ですね。しかし、昨今人気の高い、公立中高一貫校の場合は「受検」となります。
辞書を紐解いてみると…
「受験」試験を受けること
「受検」検査を受けること
となります。確かに公立中高一貫校は入学を許可するための試験を「適性検査」と呼びます。
試験ではなく検査。つまり、その学校に入学するのにふさわしい人物であるかどうかの総合的な検査なのです。
総合的な検査…そこには、普段からの小学校生活の態度も重要になります。ここを基準とした内申点が
合否の大きな分かれ目になる場合もあります。
東京都の公立中高一貫校の場合、適性検査は1000点満点で選考されます。
この中の300点は学校の内申(報告書)による加点となります。
もちろん、公立中高一貫校を志すお子様の中には学校においても優秀な成績をキープしている子も多数います。
一定数の人数が報告書は300点満点というアドバンテージを保持しているのが現実です。
その中で、報告書が200点前後で戦いを挑むとすれば、それは極めて狭き門だと言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、300満点の内申が確約されているライバルと比べても、どこかの問題で100点以上の差をつけなくてはならないのです。
一般論で話してしまえば、学校の勉強で差が開いてしまったお子様が、一発勝負の試験で盛り返すのは至難の業です。
勝つためには、適性検査を知り尽くした指導者に出会い、絶対に合格したいという一意専心で課題をこなしていくことが重要となります。
また「適性検査」の問題は、従来の私立中学型の入試、「算数・国語・理科・社会」という区分けではなく、
科目横断型の問題となります。ここでは私立型入試の合否を分ける大きなカギとなる暗記主体の問題ではなく、
問題を正しく読み取る「読解力」必要な情報を正しく取捨選択する「判断力」、
小学校6年までに学校で習う基礎学力を軸とした「思考力」が必須になります。
また、これに加え、適性検査の問題には、選択肢問題がなく、解答用紙はすべて大きな空欄になっています。
この空欄に適切な文字数で解答に相応しい的確で論理的な記述をしなければなりません。ですから4つ目の力として「記述力」が必要となります。
つまり、「適性検査」と称される試験をくぐり抜け、公立中高一貫校に入学するためには、
品行方正な小学校生活を送り、報告書を満たすことを大前提とし、上記した「4つの力」を養っていかなくてはなりません。
この勉強のやり方は「受験」と称される私立中学入試とは大きく異なります。
もちろん、私立型の受験に学校の内申点は全く関係しません。
言ってしまえば、どんなに学校の成績が悪くても、その日のテストの点数さえ取れれば合格できます。
また、私立中学受験の大きな特徴は、暗記科目が合格を左右する場合があるということです。
特に、理科、社会は暗記科目と言われています。高偏差値の学校では、昨今適性検査型の問題に近い
捻った応用問題が出題されますが、多くの学校では、基本的な暗記の部分が確実に得点源となります。
また、国語、算数の主要科目を見ても、過去問から振り返り、一定のメゾットに則った反復学習を繰り返すことが
受験に有効だったりもします。もちろん、高偏差値の人気校には応用問題も必須になりますが、多くの学校で
合格に必要な60%という正答率は、基礎的な部分でまかなえる場合も多いのです。
つまり、私立型の受験では、暗記を含む、基礎の反復がなにより重要となります。
そのためには毎日の計算、漢字などのルーチンワークに始まり、適性検査型の勉強とは大きく異なります。
このように「受験」と「受検」は入試当日までの学習カリキュラムも指導方法も大きくことなります。
ですから、お子様の現在の学習状況や個性によって「受験」が向いているのか「受検」が向いているのかというのもあります。
この部分をしっかり見極めて、お子様にとっても親御さんにとっても悔いのない勉強方法を選択してください。
東京進学セミナーでは、お子様の個性を見極め「受験」すべきか、「受検」に切り替えるべきかの相談を連日受け付けております。