中学受験生のみなさん、こんにちは。
今日は、十分に模試に慣れた受験生のみなさんのために、
統一合判の結果に踊らされないようにしましょう、という注意喚起をしたいと思います。
※ この記事は上級者編です。
【 初級者編 】
「 7月7日統一合判 模試をはじめて受ける人へ 」
【 中級者編 】
7月7日統一合判 模試の過去問はこう使え!
も合わせてお読みいただければ幸いです。
統一合判で偏差値いくつをとれば十分といえるか
模試の偏差値が低いと、受験生も保護者の方も、不安になることでしょう。
偏差値60の中学が第一志望なのに、前回の合判で55しかなければ、もっと偏差値をあげないと、と思うのが自然かと思います。
では、模試の偏差値は高ければよいのでしょうか。
偏差値60の中学を志望する際に、偏差値63なら安心でしょうか。偏差値65ならもっと安心でしょうか。
実は、どこまで高い偏差値を取っても、絶対の安心材料にはならないのです。
もちろん、偏差値30の受験生が偏差値70の中学を受験してもほとんど受からないので、一定の目安として、偏差値は重要です。
しかし、例年、模試で偏差値70を取っていたのに、偏差値60の学校を軒並み落とした、という受験生も何人かいます。
受験の偏差値には50%偏差値と80%偏差値がありますが、
50%偏差値=志望校の偏差値を模試で取った受験生のうち、2人に1人が合格するというデータが過去にある。
80%偏差値=志望校の偏差値を模試で取った受験生のうち、5人に4人が合格するというデータが過去にある。
という統計結果にすぎませんので、外れることもあります。
あくまで偏差値は参考程度のものであって、合格のための絶対的な水準ではないということを、肝に銘じましょう。
統一合判で志望校の偏差値に到達した後こそ受験生が気をつけること
では、模試の偏差値が志望校の偏差値に到達した後は、何に気をつければよいのでしょう。
それは、模試で失点した問題と、自分の志望校の出題傾向の共通点を見つけることです。
実際の志望校の傾向を比べるとわかりやすいと思いますので、
偏差値63〜65に位置する、三田国際中学と公文国際中学の算数を例に比較します。
例えば、7月7日の統一合判の結果をみると、
あなたは 「 平面図形 」 「 速さと比 」 「 ベン図を使う問題(集合) 」 の3つの大問での失点が目立ったが、4科目合計の偏差値が65だったとしましょう。
三田国際にも公文国際にも、偏差値だけみると、十分合格圏に捉えたといえます。
しかし、あなたが間違えた「 平面図形 」 「 速さと比 」 「 ベン図を使う問題(集合) 」 の深刻さは、
どちらの志望校を狙うかによって変わってくるのです。
まず、「 平面図形 」 は、三田国際・公文国際ともによく出題されているので、失点したのであればしっかりと復習する必要があります。
つぎに 「 速さと比 」 は、公文国際では頻繁に見かけますが三田国際ではあまり見かけません。
よって、公文国際が第一志望校であれば復習を重視すべきだが、三田国際が第一志望校であればそこまで力を入れなくてもよいといえます。
反対に「 ベン図を使う問題(集合) 」は、三田国際では頻繁に見かけますが公文国際ではほとんど見かけません。
よって、三田国際が第一志望校であれば復習を重視すべきだが、公文国際が第一志望校であればそこまで力を入れなくてもよいといえます。
偏差値60以上の中学では、大抵の場合、出題傾向にクセがあります。
志望校で出題されやすい問題が何であるかをしっかり把握し、
その分野での失点を減らすことが、合格の秘訣といえるのです。
志望校以上の偏差値を取っていても本番で落ちてしまうことがあるのは、ほとんどが、得意分野と志望校の出題傾向がマッチしていない場合です。
どんなに模試の偏差値が高くても、志望校の出題範囲に苦手分野があれば安心はできないということです。
模試上級者のみなさんは、そのあたりのことを意識しながら、7月7日の模試に臨んでください。